トウモロコシの栽培に向けて
【トウモロコシの栽培に向けて】
来週の日曜日からトウモロコシも栽培を開始しようと思います。
トウモロコシの特徴から栽培の時期、手順、ポイントを確認していきます。
トウモロコシの特徴
真夏が収穫時期で、高温で日当たりがよい所を好みます。
トウモロコシは鮮度が落ちやすいので、もぎたてをなるべく早く食べるのが一番おいしいです。
ポイント
- 日当たりの良い場所で育てる
- 受粉の確率を高くするために、1列よりも2列に並べて植える
- トウモロコシの害虫アワノメイガの被害を抑えるために、受粉に必要な量の雄穂以外は早めに切り取る
トウモロコシの栽培時期
トウモロコシ栽培は、育苗して植え付け、その後に直播きで栽培時期をずらして長期間の収穫ができます。
- 育苗栽培 3月下旬~4月上旬ごろにポットに種まき 4月下旬ごろに植え付け
6月下旬~7月中に収穫
- 直播き栽培 5月上旬~6月下旬ごろに種まき 7月上旬ごろ~9月中に収穫
育苗してから植え付ける早まきをすることで、トウモロコシの害虫アワノメイガの発生の時期をずらし被害を減らす効果も期待できます。
トウモロコシの栽培方法
種まきと育苗
育苗するにはポット(3号9cm)に3粒ずつ1cm程度の深さで種を押し込みます。
その際、発芽しやすいように尖っている部分を下に向けます。
水やりはたっぷりやります。
寒さ対策のためビニールハウスなど暖かいところで育てましょう。
発芽した3枚が草丈15cm程度になるまで育てます。
※セルトレイの場合は、128の穴に1粒ずつ種まきをして育った3~4枚を植え付けます。
育苗の目安
- 日数 20~30日
- 適温 発芽の適温25~30℃ 生育の適温20~30℃
直播きは、暖かくなる5月以降に畑に種まきします。
土づくり
植え付けてまでに、堆肥、石灰、元肥を入れて土づくりをしておきます。
土壌酸度(pH)の目安は6.0~6.5です。
トウモロコシは日光を好むので、朝夕と日がたっぷりと当たるように畝立ては南北向きにします。
根を深く張るので深めに耕しましょう。
肥料
トウモロコシは、クリーニングクロップ(掃除する作物)といわれ養分吸収能力が高く、土壌に過剰に蓄積された土壌の養分を持ち出す作物です。
塩類障害を軽減してくれます。
トウモロコシを大きく育てるため肥料切れを起こさないように、たっぷりと肥料を入れてあげましょう。
肥料の種類は、有機肥料や発酵・分解されているボカシ肥料などがおすすめです。
連作障害とコンパニオンプランツ
トウモロコシは連作障害が出にくく、同じ場所で連作ができます。
コンパニオンプランツとして、インゲンやエダマメとの混植などがおすすめです。
トウモロコシの天敵であるアワノメイガを寄せにくくする効果も期待できます。
植え付け
ポットに種まきしてから3~4週間程度、草丈が15cmほどになったら畑に定植します。
- ポットから根を切らないように注意しながらはずす
- 1本ずつに分け、株間30cm間隔で2列に植え付けます
ポイント
トウモロコシは、風媒花(風で花粉を飛ばして受粉する)なので雄花の花粉が風で運ばれて、雌花につき受粉します。
2列以上に植え付けするのは、まとまって植えることで受粉しやすくするためです。
直播き
畑に直播きする場合は、株間30cm間隔で3粒ずつまきます。
直播きでは、発芽した芽を鳥被害から防ぐために不織布をベタ掛けしましょう。
発芽から緑葉になれば外します。
草丈が15cmほどになったら間引きして1本にしましょう。
畑で複数の品種は栽培しない
1つの畑で違う品種を育ててしまうと、違う品種の花粉が受粉してしまい交雑してしまいます。
もし複数の品種を育てたい場合は、花粉の飛ぶ距離の100~200mは離すか、開花して花粉と飛ばす時期からずらすなどしましょう。
ポイント
発芽率をよくするために、ポットまきでも直播きでも1つの穴に3粒まくといいです。
追肥と土寄せ
トウモロコシは、肥料切れさせないことが重要です。
しっかりと肥料をあげることで、歯抜けの少ない実が詰まったものが収穫できます。
トウモロコシは、地上部の節から球根が出てきます。
土寄せをすることで球根がたくさん伸びて生育が良くなり、高く育つトウモロコシの倒伏防止になります。
追肥と土寄せは2回ずつします。
追肥と土寄せのタイミング
- 1回目 草丈40~50cmほどで本葉が5~6枚になったころ
雌穂が分化する時期にあたり、ここで穂の大きさと粒の数が決まります
株元に追肥をして、しっかりと土寄せ
- 2回目 株の先端に雄穂が見え始める
雌穂から絹糸(ヒゲ)が出る1週間前くらいが受粉前の大事な時期です
株元に追肥をして、しっかりと土寄せ
受粉と摘果(除房)
トウモロコシは、てっぺんの雄穂の花粉が下にある雌穂のヒゲにつくことで受粉します。
家庭菜園の場合は、確実に受粉させるために人工授粉させましょう。
実入りのいいトウモロコシを収穫するためには、1株に対して1つの雌穂(1番大きなもの
主に最上部の雌穂) だけ残して、他の小さい雌穂は摘果(摘み取る)しましょう。
※1株に2~3本の雌穂ができます。
小さいうちに摘果した雌穂は、ヤングコーンとして食べられます。
目安はヒゲが出てから1週間程度が食べごろとなります。
わき芽かき(除げつ)はしない
株元のわき芽はそのままにしておきます。
わき芽を残しておくことでその分光合成ができ、より多くの養分が作られます。
人工授粉のやり方
トウモロコシの雌穂の受粉は同じ株では受粉しにくいです。
そのため他の株から雄穂を切り取り、同じ株以外の雌穂のヒゲに擦り付けて花粉を付けま
す。
※うまく受粉できないと粒が付かない、歯抜け、粒が不揃いになってしまいます。
害虫対策
トウモロコシの天敵であるアワノメイガは、雄穂に誘引されて産卵し、幼虫が雌穂の実を食害します。
対策は、受粉が終わった雄穂を切り取ります。
雌穂のヒゲが色付き始めてきたら受粉は完了しています。
水やり
てっぺんの雄穂が開花したら水切れしないように注意しましょう。
先端まで実が入らなくなってしまったり、雌穂の太りが悪くなってしまいます。
鳥害対策
実が大きくなってくると、カラスなど鳥の食べ荒らし被害があります。
対策をいくつか紹介します。
防鳥糸(キラキラが付いているもの)
- 設置時期 雌穂がまだ小さいうち(ヤングコーン収穫時期)
- 設置方法 畝の両端に支柱を立て、雌穂の真ん中の高さで両側から防鳥糸を張ります。
雌穂の近くに何かあるとカラスなどに認識させます。
カラスは人の5倍ほど視力があるといわれているので、狙っている雌穂の近くに張ることで警戒するようです。
防鳥ネット
- 設置時期 雌穂が大きくなり始めたころ
- 設置方法 トウモロコシ畑の周囲に、高さ1.6m程度の防鳥ネットで囲います。
畝の両端(端に設置したら1列とばしで設置)に亜鉛パイプを立てて、スズランテープを使い防鳥ネットを固定する。
亜鉛パイプをトウモロコシ畑の側面に立てていく。(3m程度の間隔) 立て終えたら、スズランテープを使い防鳥ネットを固定する。
亜鉛パイプの下側もスズランテープを使い固定します。
最後に出入り口を作ります。出入りするところのネットを切り取り、網目に竹などの支柱を通してスライドできるようにします。
カラスは畑の周囲に降りて歩いて近づく習性があるため、畑の周囲をネットで囲うことで侵入を防ぎます。
防鳥テープ
- 設置時期 防鳥ネット設置後
- 設置方法 防鳥ネットを固定した亜鉛パイプの先端に、赤と銀の防鳥テープを縛り付
ける。太陽光を反射させるためテープはひねっておきましょう。
太陽光を乱反射させることでカラスなどの視覚を狂わせて飛来を防止する。
倒伏対策
トウモロコシは草丈が高くなり、根も浅いので風で倒れる心配があります。
倒伏対策は、土寄せをしっかりとする。
今回のように2列での栽培では、四隅に支柱を立てて支柱からヒモを張ることである
程度の強風でも耐えることができます。
収穫
雄穂の開花から20~25日ほど、雌穂のヒゲが茶色になり縮れてきたころです。
※このヒゲは、1本ずつトウモロコシの実の粒1つずつと繋がっていて、熟すことでヒゲは茶色になっていきます。
収穫のタイミング
まだ冷える夜のうちに糖度が高まるので、早朝に収穫するのが一番甘みが出ます。
収穫の目安
押してみて中身の実入りを感じるか、外皮を少しむいて上部の実の膨らみなどを確認してみます。
収穫のやり方
実を付け根から切るか、下に倒してからねじ切って取ります。
※収穫の時期を過ぎてしまうと、実が固くなってしまいます。
収穫後でも数時間で甘みが落ちてきてしまうので、すぐに食べるか、茹でて冷凍保存するといいでしょう。
茎付きで収穫
トウモロコシは、茎付きで収穫することで朝から夕方くらいまで糖度を保てます。
収穫のやり方は、外皮が付いたままで茎も3節分ほど残した状態で収穫します。
茎付きでは、立てたままの保存で糖度を保つ効果が高まります。
常温でも半日程度は糖度が落ちないので、朝取りを販売される方にとってはとても重宝する収穫方法です。
見た目でも採れたてとひと目でわかります。
では、来週から自宅のビニールハウスにて育苗を始めていこうと思います!
植え付けは、畑Bと十文字ヴィレッジでのレンタル畑で栽培を予定しています。
では次回
是非、読んで頂けたら幸いです!